胃疾患について

胃疾患について

当科で扱う胃疾患

  • 胃十二指腸潰瘍
  • 胃悪性腫瘍
    • 胃がん
    • 胃消化管間質腫瘍(GIST)
    • 胃悪性リンパ腫

胃十二指腸潰瘍

基本的には内科の疾患となりますが、穿孔(胃や十二指腸に穴が開くこと)や出血で外科的処置(手術)が必要と考えられる場合は当科で診療いたします。出血の場合はまず内視鏡的に止血しますが、止血困難な場合は手術が必要な場合があります。穿孔の場合は、CTで腹水の量が多い場合や、腹部の症状が強い場合、手術となります。手術は穴が開いた場所を閉鎖し、胃からぶら下がっている大網という脂肪のカーテンで覆うという大網充填術が行われ、胃を切除することはまれです。

胃がん

疫学

胃がんは日本人に大変多い病気です。しかし、男女とも胃がんにかかる割合も死亡する割合も年々急速に減少しています。独立行政法人国立がん研究センターのがん対策情報センターの統計をみると、2009年の部位別の死亡率を見ますと男性では肺がんに次いで第2位、女性では大腸がん、肺がんに次いで第3位となっています。2005年時点での部位別の罹患率を見ますと減少しているとは言え男性では依然として第1位であります。しかし、女性では乳がん、大腸がん次いで第3位となっております。日本人の胃がんが減少しているのは食生活の欧米化がひとつの要因になっているものと考えられています。

胃がんの検査

 

1.上部消化管内視鏡

がんの同定、生検し確定診断、早期がんでは色素による染色、narrow band imagingなどより範囲、深達度を診断します

2.胃透視

バリウムによる検査。胃壁の変形の度合いや、どの辺にがんがあるかを調べる。4型胃がんで有用です

3.超音波内視鏡

早期がんに対してがんの深さを調べます

4.腹部超音波
5.CT検査
6.FDG-PET(CT)

主に転移の有無について調べますが、PET検査の胃がんでの有用性は議論のあるところです

7.腹腔鏡検査

進行がん特にスキルス胃がんにおいて腹膜播種(細胞診)、肝表面小転移が疑われる場合に行います

8.腫瘍マーカー

腫瘍マーカーとはがんの進行とともに増加する生体因子のことで、主に血液中に遊離してくる因子を抗体を使用して検出する検査のひとつです。胃がんの腫瘍マーカーには多くのものがありますが、実際にはCA19-1、CEA、CA125、AFPなどが用いられております。ただし、腫瘍マーカーは健康人であっても血液中に存在するので、腫瘍マーカー単独でがんの存在を診断できません。主に再発の発見、治療効果推測で用います。

以上の検査でがんの進行度を判断し、その他、血液検査、呼吸機能検査、心電図、心エコーなどで全身の臓器機能の評価を行います。

胃がんのタイプ

胃がんは胃の上皮である粘膜から発生した悪性の腫瘍です。その顔つきには大きく分化型と未分化型の2つがあり顕微鏡でみた形態によって分類されます。分化型はがん細胞の形や構造が胃や腸のなごりを残したもので、肝転移が多く、未分化型ははがん細胞形や構造が胃や腸のなごりがない未熟な細胞で腹膜播種が多いと一般的にされております。

胃がんの治療

日本では胃がんに対する決まり事として2つの大切なものがあります。一つは胃癌取り扱い規約でこれは胃がんの進行度、治療や診断を記録する際の腫瘍の状態と治療の効果を記録するもので日本胃癌学会の前身に当たる胃癌研究会によって1952年に作成されました。以前は取り扱い規約だけでしたが治療法の格差をなくし統一した治療指針をしめすものとして2001年にがんとしては国内初めてのガイドラインが胃癌治療ガイドラインとして発行されました。ガイドライン作成時は取扱い規約との記載内容の領分が不明確でありましたが、2010年の改訂でガイドラインは治療の適応を示すものとして明確に区分されました。注意して欲しい点ですがガイドラインはあくまでも指針であり、それ以外の治療法を規制するものではありません。